柿酢については、色々と効果があるって事で、ちょっと調べてみたら、良いことずくめの説明が販売メーカーの ホームページに掲載されておりましたので、3年前より自家醸造し、効果検証実験を行ってみて、 それなりの効果が認められたので、一昨年から年中行事に取り入れましたのでレシピにあげることにしました。 本柿酢の分類ですが、完熟した果実を醸造して作成する果実酢のカテゴリに入るようです。 口当たりがよく、酸度も遜色なくあるので、ドレッシングや、すし酢、三杯酢等、料理は元より、リンスの代替 や、健康的効果を見込んだ飲用まで、色々と使い道があると思います。 ※作成工程で、酒税法に係る段階がありますので、ぱなけあ。が作成する時は法律の範囲を逸脱しないように 注意しています。 ※検証実験体は、高血圧な「母」と、あまりお酒に強くない「ぱなけあ。」本人となり、広範囲での検証を しているわけではないので万人に同じ効果が期待できるとは言い切れません。 柿酢4升程度 材料:完熟柿(無農薬・無ワックスであれば、甘柿、渋柿は問わない)7.5Kg、追加分4.5Kg 道具:5L瓶(3本)、すりこぎ、木べら、おたま、ステンレスボール(大、中)、ステンレス笊(大、中) 輪ゴム(6本)、クックアップ(3枚+必要量)、薄紙(油紙っぽいもの3枚)、ペティナイフ等、皿2枚 ラップ(適量)、10mmビニルホース(1,000mm)、1升瓶(4本) @ 完熟柿の入手 親戚、知人、近所の庭等の柿をもらう交渉をしておく。 (渋柿でも甘柿でも何方でも良いです。糖度は、渋柿の方が高いらしいです) 又、もらえない場合は、山や、河原にに自生している渋柿を探すと良いでしょう。都内でも見つけられます。 ※ご近所で放置してある柿等は、此方でモイで綺麗に片付ける条件をだけば比較的簡単に譲ってもらえると 思います。 A 柿の下処理 基本的に柿は洗わずに利用します。(鳥フン付着等の汚れが著しい場合は、軽く洗って水分を完全に拭き取り乾かします) 柿の表面にあるうす白いものは、天然酵母の塊となりますので汚れと間違えて落とさない事。 柿のヘタにペティナイフを入れクリんっとすると、簡単にヘタがとれます。ヘタの内側が汚れていた場合は、 ナイフで削り取ります。(ぱなけあ。はあまり神経質にはなりませんが。) B 柿酢の仕込み Aで下処理した柿をヘタを下向きにして瓶につめていきます。完熟が進んでいて、気が長いひとは瓶口をクックアップで 蓋し、更に薄紙をかぶせて蓋しCに。 柿がちょっと固めだったり、気が短い人は瓶にすりこぎを入れ、柿を叩き潰していきます。これを繰り返し、 1瓶で2.5Kg程度詰め込んでいきます。詰め込んだら、クックアップと輪ゴムで瓶口を封した上、さらに薄紙と輪ゴムで 封をして、冷暗所(暖房の届かない廊下等がよいでしょう)に保管します。 C 柿酢の仕込み(醸造初期) 2日後、Bで仕込んだ瓶を開封し、木べらで更に潰しながら撹拌していきます。この作業を1日置きに1周間程続けます。 D 柿酢仕込み(原料の追加) 瓶内の間隙がなくなり水分で見たされたら、追加用の柿を下処理し、瓶の8分目までかさが増えるように柿を追加投入 します。(8分以上のかさまで入れると、初期醗酵時に溢れでてきます。) 作業が完了したら、必ずクックアアップを輪ゴムで止め、うす紙で更に封をしておきます。 これを怠ると、隙間からショウジョウバエが入り込んでしまい、ウジだらけの柿ペーストが出来上がってしまいます。 E 柿酢仕込み(醸造中期) 更に、1周間程、1日おきに潰しながらの撹拌をしていきます。 柿が持っていた酵母によりアルコール発酵が進んでいるかと思います。常時醗酵し、二酸化炭素の泡を出しており、 甘ったるい香りがふくらんでいると思います。 F 柿酢仕込み(醸造中期2) 最初の仕込みから、2週間経過しています。ここまでくると、カビの侵食による失敗はほぼないと言ってよいでしょう。 このタイミングで、撹拌頻度を、3日に1日とし、更に2週間程撹拌を続けていきます。 G 柿酢のテイスティング1 仕込みから1ヶ月経過した所で、品質確認の為のテイスティングをします。この時期になると、柿は完全なペースト状 になり、アルコール発酵の後期の段階になっています。おたまでペーストを掬い、クックアップで濾し、液体を テイスティングします。仄かなアルコールと甘みがあり、白ワインに近い味わいであればここまでの工程は成功している と言えます。反対に、生ごみや、ドブの臭いがしていたら失敗となりますので、廃棄しましょう。 因みに、ここで、ペーストを全て濾し、瓶詰めして60〜65℃で30分程湯煎してしまうと柿ワインとなってしまい、 酒税法違反となりますので、やらないことをおすすめします。 H 柿酢の仕込み(醸造中期3) 1ヶ月目のテイスティングで問題がなければ、撹拌頻度を1週に1回とし、さらに1ヶ月程度撹拌作業を続けます。 後半には、表面に透明や、白い寒天状の物ができることがありますが、これは、酢酸菌のコロニーですので、 そのままかくはんして問題ありません。 I 柿酢の仕込み(醸造後期) 仕込みから2ヶ月たったら、撹拌頻度を2週に1回としさらに1ヶ月程度撹拌作業を続けます。 撹拌時の香りや、木べらに付着したペーストを舐めてみて、甘みより、酸味が強く出てきたら 醸造工程も終盤となります。 J 柿酢の搾り(あら搾り) 仕込みから3ヶ月〜4ヶ月位になったら、自分のここだ!というタイミングで搾り工程を行います。 撹拌時の味見と、香味で判断してください。(酢酸醗酵が9割方でも熟成・沈殿工程で醗酵を進めることができるので あまりきにする必要はありません。)ぱなけあ。は、3.5ヶ月程で搾り工程に進みます。 ボールの上にステンレス製の笊をのせ、その中におたまで静かに柿酢ペーストを上限まで注いでいきます。 当然網目から柿酢が滴り落ちます。小一時間程放置すると、笊内のペーストが減りますので、更に上限まで ペーストを上乗せします。又小一時間程放置し、ペーストの水分が見た目で減っている状態を見計らって、 笊より2回り程小ぶりな平皿をペーストの上に置き、更に6時間程放置します。 6時間たったペーストは、かなり水分が減っている状態ですが、さらに絞るため、ペーストをクックアップに包み、 絞り込んでいきます。(丈夫なクックアップでも、搾り工程を数回繰り返すと破れることがあるので、優しい 力加減で搾ります。)搾りかすは、廃棄するか、鶏にでも喰わせましょう。 絞った柿酢は、オレンジジュースの様な色ですが、ちゃんと酢です。一瓶で大凡2,500ml程搾取できると思います。 K 柿酢の搾り(仕上げ搾り) 前工程で絞った柿酢を更にクックアップで濾します。ある程度は、自然の重力にまかせて濾し、目詰まりが 出てきて、濾せなくなってきたら、包んでから、優しく絞っていきます。絞り切ると2,450ml程のしぼりたて柿酢 になります。これを、洗った元の瓶に詰め戻し、ラップで密封し、輪ゴムでとめた上に薄紙をかぶせて1周間程度 保管しておきます。 L 熟成・沈殿 一旦ラップを外し、醗酵具合を確認します。完全に醗酵が終わっていれば問題無いですが、醗酵が進んでいる場合 表面に白い膜が張ってきます。これは酢酸菌のコロニーですので問題ありません。更に1週間程、ラップで封をして 様子を見ます。(ラップが膨らまなければOK) 再度、ラップで封し、薄紙をかぶせ、更に2〜3ヶ月程冷暗所に保管します。 M 澱引き・瓶詰め 濁っていた柿酢も保管の日数を重ねると果肉粒子の沈殿が起こり、透明な薄オレンジの柿酢になります。 静かに瓶を作業台に運び、ビニールホースでサイホンの原理を利用し、上澄みを1升瓶に詰めていきます。 お酒の1升瓶であれば、中を洗浄する必要はありません。全分量の澱引きを行うと、約4升の柿酢になりますので しっかり密栓し冷暗所で保管します。この状態で暫く保存ができます。 ※5年〜10年と平気との事ですが、ぱなけあ。は、未だ1年しか保存できていないので、本当かは確認がとれていません。 長く置けばバルサミコ酢みたいになるかも・・・ 仕上がった柿酢は、そのまま食酢と同様の利用が可能です。お薦めはドレッシングですね。 ワインビネガーとしてマリネ等の素材としても秀逸ですし・・・。 それ以外の利用ですが、高血圧の母に毎晩歯磨き前におちょこ1杯飲み続けてもらうと、2ヶ月目位から、 血圧が安定して下がった状態になりました。(飲用後放置すると歯が溶けてきますので注意) 又、飲み会の前に、ちょっと大きめのおちょこ1杯程飲んでから、飲酒をしても、(普通に飲んだら二日酔い確定レベルの量) 二日酔いにはならなかったです。翌朝すっきりりん!! 因みに、食生活に柿酢を組み込むと、身体が酸味を、柿酢を欲するようになるようです。。。 これは、再検証してみますが、尿酸値も下がったような気がします。 さて、いつものようにざっくりレシピですが、google先生に聞いてみると、より詳しい醸造柿酢の情報をさがせると 思いますので、色々調べてみるのも宜しいかと思います。 ぱなけあ。は、「柿酢の作り方」で聞いてみました。 |