工作だもの
ロケットコンロType α

目指したのは寿命の長いロケットストーブ。


 以前よりロケットストーブはいいなぁ。ただ寿命が短いのが玉に瑕なんだよねと思っていたので、それならけだもの的にイイ感じに作ってみるか
となった訳です。
そもそもロケットストーブとは、一斗缶に、ステンレスの煙突を組み合わせ、断熱として、パーライトを用いた物で、煙突効果を利用し完全燃焼
させることでほぼ無煙の薪ストーブって事だけど、どちらかというとコンロって感じの機能が前面に出ているようなものかな。
 んで構造上、一番温度の上がる、燃焼から立ち上がり部分が弱く、ステンの煙突材だけでは、利用していくうちにグズグズになってしまうようなので、
先ずは頑強な物を目指すことにした。
高断熱で耐火性があり、耐久性も高い素材。。。最新素材とかでもありそうだけど、
探しきれず、ふと思いついたのが、昔から利用されている、珪藻土コンロ。安定的な形状から、練炭コンロを採用してみた。

材料: 練炭コンロ✕2、100mm口径ステンレスT字煙突材✕1、同L字煙突材✕1、榛名軽石小✕1袋、筒型燻製機✕1式、ステンレステープ✕1巻、
    ステンレス針金1M、耐火モルタル小✕1袋

工具:マジックペン、ラジオペンチ、ノミ、げんのう、ペットボトル、ベビーサンダー、ペンチ

〇内部燃焼〜立上りに当たる部分の加工:
  練炭コンロの吸気口に付属している金属スライドを外す。止め自体はピンで本体に打ち込まれているだけなので、
 ラジオペンチで簡単に引っこ抜く事が出来る。
   

  本体がさっぱりしたら、コンロの底を見極めつつ、煙突材を差し込む穴を穿つために、煙突材をあてがってマジックで罫書きする。
   

  穴を穿つにあたっては、元々の吸気口から削り広げていく感じ。これは、ノミを使うと面白いように削ることができる。
  きれいに差し込めるよう、時々煙突材をあてがいながら丁寧に穴を穿つのが大事かな。



〇煙突に当たる部分の加工。
  こちらも練炭コンロを加工するのだけど今度は底をくり抜き、コンロ自体を筒状にしていく。
 こちらは、とっかかりがないので穴が開通するまでちょいと面倒ではあるが、まぁ、素材が素材なだけに、ちよいと頑張れば
 直に穴が開通するので、其処から、コンロ内径と同じまで広げれば良い。

  穴を穿つと、丁度底側の足が残る感じとなるので此処をロケットコンロの口にするかんじ。
 


〇外殻の加工

  外殻にあたる燻製機にも、煙突が通るように横穴を開ける。練炭コンロの開口部の高さを測り、外殻に煙突材をあてて、
 マジックで罫書きする。更に罫書いた円の中心から、放射状に16等分する線を罫書く。
 

  ここで問題発生。ブリキ鋏で簡単に切れると思っていた外殻が、想定以上に厚く、硬く、歯が立たないorz
 ・・・・ベビーサンダーを急遽用意し、これで、切っていく。

  ついでなので、ロケットコンロ上部に付ける煙突用の穴も罫書いて切っておく。

〇組み立て
  もはや、練炭コンロだったものの、上部に、通気用の小さな穴がぐるっとあるので、これらを耐火モルタルで埋めておく。
 底に当たる練炭コンロを、外殻側の穴に合わせて配置する。
 外殻側の放射状に切り込んだ部分をラジオペンチで90度ほど外側に捲っておく。
  T字煙突材をTを逆さまにした形で外殻の穴から差し込み、練炭コンロの穴に差し込み接続する。
 この時、捲った外殻が煙突材に干渉する場合は、干渉しないようにうまく加工する。
   

  煙突材と外殻の捲った部分がうまく重なっているはずなので、ステンレス針金を巻いてうまく締めて固定する。
 次に煙突にあたる練炭コンロを配置するため、先に配置した練炭コンロの上部にトロ目にした耐火モルタルをのせ、
 合わせるように練炭コンロを逆さまに乗せる。
  外殻と練炭コンロとの隙間に軽石を詰め込み、ガタツキ防止と断熱をとおもったのだけど、そこまで、隙間が広くなく、
 ガタツキ防止になった程度となった。

  最後に、上部煙突用の切込み部分を外側に捲り、L字煙突材を針金で固定すれば粗方完成。
 一応、ステンレステープも用意したので、煙突のつなぎ目に巻いてみたけど、、、、。

  因みに、今回使った外殻は、昔から利用していたスモーカーで、2つを連結して1つにしたものを利用している。
 現在は販売されていないので、次作からは、一斗缶か、ペール缶を利用することになるかと。


〇試運転
  出来上がったロケットコンロを持ち上げてみると、それなりに重い!!
 練炭コンロを2つ使っているから仕方無いが、重量は今後の課題となりそう。
 車にて拠点まで運び、試運転兼性能実験を行う。
 燃料はそこらにある直径2~3センチの乾燥した杉の枝。
  適当に集め、30センチ位の長さに折り揃えておく。T字の上を向いた口から先ずは杉っ葉を入れ、そのうえから枝を差し込んでおく。
 横向きの点検口を開け、杉っ葉に火をつけると、炎が上がる。点検口を閉め、炎が上がっている口に向け、軽く扇いでやると、炎が、
 コンロ側に吸われるようになり、開口部から炎は見えなくなる。
   

  これと同時に、ゴーっという給排気音が出てきて、コンロ上部から、炎が立ち上がってきた。
 煙については、着火時に多少でたものの、安定して燃えだすと、目に見える煙は無くなっていた。
 次に、薬缶に水を張り、コンロに乗せる。
 更に数本開口部に薪を差し込む。
   

  10分位でお湯が沸いた。熱がダイレクトにほぼ余すことなく伝わるので、燃費がすこぶる良い。
 次に一旦薬缶を退け、上部に蓋をする。

 

  この状態にすると、コンロ内上部が暖まり、放熱を始める。ロケットストーブ形態となる。蓋の上に、
 薬缶をのせればお湯も沸くし、焼き物シートを敷けば、炒めものもできる。更に横から立ち上がっている煙突口に金網をのせると、
 パンやお餅がやける。煙がほぼ出ないので、パンを焼いても臭くならないし、サックリ、モッチリ焼き上がる。



ただ、、内部の空間が少ないせいか、ストーブとしての性能はさほど良くないので、次作の課題としたい。





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